2014年9月18日木曜日

ヒツジの手術

9月17日サフォークオスのセブンの手術がありました。
先週末、飼育員がセブンの睾丸からウミが出ているのに気がついて、畜産課の獣医さんに見ていただきました。

ウミが出ている意外、食欲が落ちてる様子も無く、便も普通、毎日の観察では異常は認められませんでした。
しかし、診察してもらうと片方の睾丸が倍くらいに腫れていました。
これはやっぱり重症です。

四足歩行の動物はお尻をさらしているので、睾丸の存在はわりあいはっきりわかります。
豚など、あまりに立派で、かえってホントにそうかと思うくらい目立ちます。
片方腫れていれば、見た目で気がつくと思いますが、ヒツジの場合、よく見えるところにブラブラして、存在自体ははっきり認識できますが、他の動物と違い、覆われた毛で形状の変化がわかり辛く、ウミを発見するまで異常に気付けませんでした。

最初は抗生物質など、内科の治療をしていただきましたが、腫れがひきません。
結局、睾丸ごと患部を取ることになりました。

手術することになったセブンは、病気が多く、鼠径ヘルニアを手術したり、回虫が原因の下痢で体重激減になったりしています。
今度は3度目の大病です。

手術中に暴れられるのは困るので、麻酔をするのは人間と変わりませんが、入院して、手術室に入ってというような至れり尽くせりはもちろんありません。
こちらの準備が出来たら、先生に羊舎まで出向いていただきオペ開始です。

手術台などの設備は無いので、獣医先生はコンクリートに横たわった羊を、しゃがんで手術。
開腹、患部摘出、縫合、手術の過程を全部しゃがんだままと言うのは本当にしんどそうです。
開腹、患部摘出まで一気に終えたところで、立ち上がる足がふらつくほどでした。
このあともう一度しゃがんで今度は手術跡を縫合。
しゃがんだまま傷口を覗き込み、針を鋏みたいなものでつまんで、縫っていく間足元グラグラ、難しい作業だなと驚きです。

摘出した患部は、ひどく腫れ、ウミもたくさん溜まっていました。
患畜のほうは、うまく麻酔が効いていて手術後もまだ大人しく横たわっています。
先生がその横たえた体を起こし、頭を上げ、伏せた姿勢になさいました。
この姿勢で麻酔が覚めるのを待ちます。

飼い犬や飼いネコは、気持ちよさそうに寝そべっていたりするので意外ですが、羊だけでなく、馬や牛等家畜全般(豚は別)は、息がし難かったりして体を横たえているのは、楽な姿勢ではないようです。
逆に言えば、横倒しに倒れている家畜は、大変体調が悪いと言うことになります。
そういえば、年末に死んだ乗馬のパール意外横たわった動物を見たことがありません(豚は別)

手術中放牧場に待機させていた、同室のコリデールが部屋に入れてもらって、餌箱に直行すると麻酔が覚めたセブンも一緒に餌箱へ向かい同じように餌を食べようとします。
 手術後すぐで、傷口は、痛く無いのかなと心配ですが、よろよろよろけて、元気が無いよりはあり難い。
ただし、動物たちは人間ほど、自分から弱みは見せないし、泣き言も言わないので、今の様子から体調が万全と言う判断は下せません。

二度の大病からは無事復活したので、今回も早期の回復を祈りつつ、ちゃんと食べて、きちんと出しているかよく観察して経過を見ていきます。

岐阜市畜産センター公園 奥村
オペ完了