2014年8月29日金曜日

赤いトンボたちの物語

赤とんぼと言えば秋のイメージですが、8月もお盆を迎えるころには、ほんの1、2匹ですが、公園の芝の上で見かけるようになります。
今年もお盆直前、本当に暑く心も体もうだっていた頃に赤とんぼを見かけ、そろそろ、朝晩だけでも涼しくるかなと淡い期待を抱いていました。
しかし、その後は、雨、雨、雨、降らない間もどんより曇って蒸し暑い。
今年はあれから、赤とんぼは見ていません。

今日8月29日金曜日、お天気のほうは、相変わらず、曇り空ですが、蒸し蒸しのないさっぱりした朝でした。
朝の気温は9月の終わりから10月並み、秋の気配です。

猛暑を避け、7、8月は夏休みをいただいていた毎月第三水曜日開催の「自然観察会」も秋を迎え、再開いたします。
9月17日のテーマは「え!もう秋」。
そうそう、赤とんぼなんかもう見たもんね。

とおもっていたのですが、夏に見たあのトンボ、ホントの赤とんぼだったのか?
「自然観察会」で講師を務めていただくNPO法人「ふれあいの森自然学校」代表の中山先生のお話では、お盆過ぎに芝生広場で見かけたのは、多分、ウスバキトンボ、晩夏に群れを成して飛ぶそうです。
そういえばあまり赤くなかったような…。
いわゆる赤とんぼといわれるのはアカネ属の内、アキアカネと言う種類だそうです。

しかし、アカネ属のトンボはよく似ていて区別は難しく、広義には、アカネ属みんなを総称して赤とんぼと括ることもあるそうです。
あの黄色っぽいトンボを赤とんぼと呼ぶのも間違いと言うわけでもないような。



と言うわけで、秋といえば赤とんぼ。
でも、中山先生と一緒なら、それだけじゃない「え!もう秋」も見つかりそう。
お待ちしております。

岐阜市畜産センター公園 奥村

2014年8月15日金曜日

ぴよぴよコンサート1周年

昨年8月から偶数月の第一月曜に開催してきたぴよぴよコンサートは、今回8月11日月曜日の開催で7回目、1周年を迎えました。

前日10日、日中は大きな台風で、荒れた天気。
台風通過後、コンサート当日は、雨は降らないけど、晴れ渡るでもなく、台風一過なのに、台風がぶり返すのではないか思うような、ぱっとしない天気。
こんな日は、公園へ出かける気分じゃないかもと客足を心配しましたが、蓋を開ければ100名をちょっと超えるお客様。
うちのホール規模だと、1時間ゆったり音楽を楽しんでいただくにはこのくらいの入りがちょうど良いかなと思います。

今まで2回アンケートに答えていただいたところ、リピート率は50%程度、したがって、お客様の半分は毎回変わります。
しかし、年齢構成は、平日の午後とあって、お母さんとまだ保育園や幼稚園に通う前の小さいお子さんのペアが100%近くなのは毎回同じです。

ところが、今回は、小学校の高学年と思しき児童生徒さんも参加されるなど、お子さんの年齢層がちょっと高め。
夏休み開催なので、これは想定内。
でも、更に、意外とお父さんが多い、これは予想外。
8月11日は、夏休みだけでなくお父さんのお盆休みにも重なって、普段は学校のお兄ちゃんお姉ちゃんのついでに、お父さんも誘ってもらえたと言うことかなと思います。
と言うことで、普段の回の母一人子一人、あるいはその方々が誘いあってのママ友グループより、兄弟姉妹とお父さんお母さんと言うファミリーな構成が目立ちました。

何度かコンサートに来ていただいているお母さんからは、お姉ちゃんにも、本物の楽器の演奏を聞かせられる機会が出来てうれしいと感想をいただきました。
今回が、お盆休暇中だったのは良かったなと思います。

そして、本日、いつもの戸本先生から紹介いただいたのは、クラリネット。
岐阜県出身のクラリネット奏者4名(今回は3名で)のグループ「アンサンブルグランミュ」の皆様です。
戸本先生も管楽器がご専門ですが、今回先生は、プロデュースにまわられました。
クラリネットと言う楽器は知ってる人も多い、よく壊れるアレですが、ピアノやギターなどと比べ、生の音を聴く機会は少ないように思います。
今回は、そのクラリネットが中心。
知ってるようで知らないクラリネットの音色を楽しんでいただきました。

今回は3名で














今回は、童謡、クラッシク、ポップと色々なジャンルの、でも、お父さんお母さんとお子さんが一緒に口ずさむことの出来るポピュラーな曲を次々に軽快に若々しく演奏していただいきました。
観客は、クラリネットは音だけでなく、プレーイヤーが自由に動けるので、その動きもあって、一緒に歌ったり、リズムを取ったり。
特に今回は、大きいお姉ちゃんお兄ちゃん、それにお父さんの参加もあっていつも以上にノリノリの1時間でした。

みんなでびょーん














もちろんノリノリとは言え、音楽会、皆さんのるとこはのっても〆るところは〆ていただきとってもマナーが良いのに感謝しております。

それでは、次回もよろしくお願いします。














今回のコンサートの様子は、8月12日に中日新聞朝刊で記事にしていただきました。
また、地元のケーブルテレビ局「チャンネル長良川12ch」では.きのう8月14日にコンサートの様子を放映していただきました。
「チャンネル長良川12ch」さんでは、8月16日(土)17日(日)にも1週間の総集編中にまた放映していただけるようです。
時間は、8:00~・12:00~・20:00~、今回参加いただいた方もそうで無い方もぜひご覧ください。

岐阜市畜産センター公園 奥村

2014年8月12日火曜日

夏休みの飼育体験

8月6日水曜日、7日木曜日の2日間職場体験を実施しました。
飼育体験は、当公園の恒例行事で、毎年夏休み期間に3回実施します。

今年は、7月30・31日、8月6・7日、8月20・21日の3回です。

7月の飼育体験も暑かったですが、台風が西に停滞している今回は、物凄く湿度が高く、その湿気がねっとりと暑く肌にまとわりついて、体にこもった熱を逃がさない、不快指数の高い2日間となりました。

小中学生は、我々より基本的には元気で丈夫、炎天下のグランドを走り回るような瞬発力はあると思います。
しかし、朝8時半から午後3時半までの長丁場、炎天下での外仕事という持久力は、まだ厳しい気がして、お迎えする我々は、仕事っぷりにハッパをかけるより、水分補給と休憩をこまめにとらせる、熱中症予防のほうに気持ちが行きます。

実際、二日間ともしっかり暑く、飼育体験の皆からも仕事中、暑い暑いと声は出ていました。
でも、そう言いながら、みな働く手は休めず、しっかり仕事をしてくれて、熱中症に負けず充実した二日間を過ごしてもらえました。
皆さんご苦労様でした。
持参の水筒でのどを潤しながら休憩中














と言うことで、飼育体験は、どんなことをするのか、この二回目を例に挙げ、紹介させていただきます。

両日とも午前中は、畜舎の掃除。
住むところを清潔に保つことは、家畜動物に限らず、動物を飼う為に一番大事な仕事。
そして、畜舎の場合の掃除と言えば、(何度も言いますが)糞を集めて捨てるのが一番の仕事。
糞が汚いなんて敬遠するようだと、飼育体験に来る甲斐が無い、と言っても過言ではない。

暑い中大変ですが、さすが飼育体験に申し込む方々は、そこのところは難なくクリアー。

一部、わっウンコ、みたいなノリもありましたが、大量のウンコに囲まれる非日常にウンコ、オシッコに対する興奮が口をついて出てしまうのは、高学年とは言え、小学校男子ならばしょうがないとおもいます。
楽しそうだったもん。

それに、仕事に手は抜いていませんでした。
ポニーの糞掃除













仕上げの掃き掃除
















と言うわけで、皆さんウサギの糞も、ヤギの糞も、ポニーの糞も、ためらい無く、箒で集め箕に乗せ、グイッと両手で持ってスタスタ、軽トラックに積み込みます。
これらコロコロ系のよりはもう少し難易度が高い、つまり粘度の高い、もう少し具体的に言うとベチャッと床に張り付いた、黒っぽくて大量の牛の糞もなんのためらい無く(一部ウンコに興奮しながらも)スコップですくい上げ、おが屑と一緒に片付けてくれました。



コロコロ系の糞














また、エサやり作業では、結構大きな豚たちの集団(5,6頭かな)の中に入りますが、ためらいう子はいませんでした。
その豚たちに群がられて、長靴を齧られても平気と言うかむしろ楽しそう。
長靴を齧られる感触が悪く無いようで、餌をやり終わってからも、みんなで(小学校男子筆頭に)、囲いの柵の格子から長靴の先だけ出して豚たちにカジカジさせて、キャッキャ言ってました。
何でも楽しい年頃













カプッ(ゴムホースもすき)














そのあとの、そこそこデカイ木曽馬(300~400kgくらいかな)や、とってもデッカイホルスタイン(850kgありました)にも腰が引けず、堂々と渡り合っておりました。(もう少し具体的に言うと、ぜんぜん怖がらず、同じ部屋に入って掃除が出来たという事)

こんな具合で、2日間の大半は、我々が普段やっている家畜の世話をしてもらいましたが、仕事だけで帰ってもらっては申し訳ない、出来れば、飼育体験を夏休み一番の楽しい思い出にしてもらいたいと、餌箱に入れる飼料ではなく、ニンジンなんかのおやつ的なものを手渡しでやりながら動物たちと遊ぶ。
まではいきませんが交流を図ってもらいました。

そこで、2日目午後の掃除のあとは、生後1ヶ月ちょっとの仔豚とヤギの親子にえさやり。

うちの動物のみなさんは、普段手渡しで餌をもらうことがあまり無いので、ニンジンを見せたら駆け寄ってくる、と言うわけには行きません。
こちらから手を出すとさっと体をかわす、捕まえられたりしないかとビクビクドキドキの、キホン臆病な性格。
こっちからずんずん近寄ったりするとピャーと逃げ出してしまいます。

でも餌をひらひらさせると、この人間、なに持ってんだろう、みたいな感じで寄ってきますから、好奇心は強い。
野生の動物は、逃げ出したら向こうから近寄ってくることは多分ないでしょうから、野生と比べ、うちの動物たちは、我々に対し、そうひどいことをされるわけでは無いというような安心感があって(食べちゃうんだけどね)人間嫌いでは無いとおもいます。

手渡しで餌をやるにはまず根気、じっと待たないといけません。
餌で誘うと、こちらの手が彼らの体に触れられる距離からほんの少し外側で、みんなピタッと止まります。
ここで手を出すと逃げ出すので、ここからが勝負。
ぴたっと止まって考え始め(ケッコウ長考)、長い間のあと、ジリジリ近寄り始めるのを、ニンジンを手に待ちます。
腕を伸ばし、ニンジンを持った手を差し出して根気よく待っている感じは、線香花火をつまんだ指先が揺れて、大きくなっていく火の玉が落ちてしまわないよう、腕を固め息を凝らしているのに似てるかな。

そうして待つこと、どうでしょう、黙ってこらえていると時間はとても長く感じられますが、それでも1分や2分では、まだまだ、仔豚なんかは行きつ戻りつするところを待つこと5分弱でちょろっと餌に鼻面を寄せてきて。
また引き下がってもう5分、ホントに恐る恐る唇を餌に差し出した時が、ジーッと鳴り出した火玉の最初の火花、さあこっから来るぞ。
やっと、パックっと咥えてむしゃむしゃしてくれるとちょっとした達成感を味わえます。
餌付け成功














みんな根気が良くて、じっと待って餌をやることが出来ました。

一日、二日では時間が足りませんが、手渡しで餌をやって、その次ちょっと体に触れて、その次は体を撫でて、とやっていくと動物が馴れて、人に懐いてきます。
動物をなつかせるための最初の一歩の餌付けをみんなもクリアーです。

毎回そうなんですが、飼育体験に来てくれる子で、本気で、動物たちの糞が汚いとか嫌だと言う子はいません。
まさかウンコを触るのがうれしい、なんてことは、(多分、ほぼ)ありませんが、藁の掃除も、糞掃除も分け隔てなくやってくれてます。
楽しい夏休み、わざわざ飼育体験をしようと来てくれる子は、大きな動物の大きな糞にも動じない、筋金入りの動物好きだと思います。
そういう皆さんが、この飼育体験で、もっと動物を好きになってもらえるような2日間になるようにと思いながら毎年皆さんをお迎えしています。

待ってるよ。

岐阜市畜産センター公園 奥村

2014年8月5日火曜日

デュロック誕生

8月1日金曜、9匹のデュロック種の仔豚が生まれました。

生まれたのは9頭。
8月4日に性別の確認や体重測定を行いました。
性別は8頭がオス、ちょっと珍しい偏り方です。
体重は一番大きい仔が1.9kg、一番小さい仔が1.3kg、体重は重くも無く、軽くも無く、平均的な大きさでした。
この仔はおおきめ














 うちのメスのデュロックに人工授精でオスをかけ合せたので、今回生まれたのは、デュロック種純血。
見た目もデュロックの形質を受け継いだ茶色い豚です
お母さんの体毛は赤みの強いこげ茶ですが、生まれたばかりの赤ちゃんの体毛に赤みは無く、グレーがかった茶色。
毛の手触りは、お母さんが、ゴワゴワでナイロンブラシのように硬いのに比べ、フェイスブラシの毛のように柔らかくツヤツヤと光沢があります。
肌の色は、体毛のないお腹のあたりを見るとピンク色で、白いからだのいつもの仔豚とそう違いは無いように見えます。
豚は乳首の数がまちまちなので数を数えて特徴として記録














ただ、鼻はこげ茶、見慣れた仔豚とは明らかに違います。
そして、この鼻のこげ茶に仔豚ごとに濃淡があって顔の印象がそれぞれ違うのが面白い。

ツヤツヤの茶色














体重測定するときに抱いて運びますが、飼育のゲージから取り上げても暴れないし、抱かれていれば鳴かずに大人しくしているし、仔デュロックは扱いが楽な気がします。
でも、ひょっとすると生まれていきなりこの暑さで、もうすでにちょっと夏ばて気味で抵抗する気力が萎えているだけかもしれません。
とてもお利巧















お店で売っている豚肉の多くが三元豚(さんげんとん)という3種類の品種の豚のかけ合せでです。

デュロック種は、そのうちの1種なので、豚及び豚肉の関係者にとっては、珍しい品種ではありません。
しかし、種豚なので飼育頭数が少なく、かけ合せると生まれる仔は白しかでてこないので、たとえテレビ画面を通してでも、一般の方で、茶色の豚を目にされることあまりないと思います。

デュロックは、以下の三元豚のなかの肉質を担当。霜降り肉が出来るそうです。
http://ajmic.or.jp/shouhisha/img/2012/qa_pdf/18.pdf(全国食肉事業協同組合連合会HPより)

夏の盛り、猛暑のころで仔豚たちには大変な時期ですが、職員としては、平日も来園しやすい夏休みなので、いい時期に生まれてくれたなと思います。
十日ほどしましたら、飼育舎のあるゾーンの真ん中あたり、平屋の赤い屋根の分娩豚舎放牧場で遊ばせる予定です。
暑い日が続きますが、いつもと違う仔豚を見に来てください。

岐阜市畜産センター公園 奥村

元気にお乳を飲んでいます。