2013年6月18日火曜日

有精卵

昨日(6月17日)NHKの「ほっとイブニングぎふ」:毎週月~金 後6:30~7:00でうちの公園で買ったいただいた卵から、雛を孵したと言う小学生の男の子からのお便りが紹介されました。

当公園では、オス・メス一緒の部屋で飼っているので、産んだ卵は有精卵、
である可能性が高い卵です。
ですから、上手く暖めれば孵化する、
と言う可能性は多分にある。
ということで、うちのは、暖めればひよこが出てくる、
かもしれない卵です。

お客様に、店頭でこういう説明をすると、かわいそうで食べられないと言う反応もたまにあります。
お子さんは、孵してみたいと目を輝かせて、お父さんお母さんのほうを見ますが、たいがいの場合、孵化なんて話は、却下。
結局面倒見るのはおとななので、乗り気にはなれない。
良く分かります。

子供たちのキラキラした目に心が揺れている保護者様には、卵の孵し方と心構えについてお話させていただきます。

まず、温度
約38度くらいに温度を保ってください。
体温で暖めるくらいでは孵らないと思いますので、熱源と熱が逃げないような箱なり何なりの保温具が必要です。
熱源は24時間つけていないといけないので、火事に気をつけないといけません。
温度の変化にも注意が必要です。

つぎに、転卵。
卵は世話をしてやらないと孵りません。
諸説あり定かではありませんが、最低、日に3回転卵をしましょう。
転卵というのは、卵をぐるっと一回転させるのではなく、120度くらいづつ卵の向きを変える作業。
卵黄表面にある「胚」(はい)が卵殻膜(うす皮)にくっついてしまわないようするため(くっつくと死んでしまうそうです)
また、たまご全体に温度や湿度がまんべんなく当たるようにするためにも重要なこと、
なのだそうです。
卵の表面を三分割し、鉛筆で薄く線を引いておくと卵を転がす目安なります、
とお客さんから聞きました。

そして、日に何度かは霧吹きで卵に湿気を持たせてやってください。

卵がかえるまでは約三週間、24時間監視体制で上に掲げた作業を、欠かさず続けていただくと卵は孵る、
こともあります。
コタツに放り込んで放置、と言う具合に必要な作業を怠ると、絶対に卵は孵りません。
しかし、必要な作業を忠実に実行出来ても、孵らない場合もございます。
努力も実らないことはある。
そこのところはご承知願います。

次に、雛が生まれたその後の心構え。

生まれた雛は直に、ニワトリやアヒルになります。
コケコッコーやガーガーの鳴き声は、隣近所があれば大変な迷惑です。
ご近所に迷惑をかけない、それなりの住環境が必要です。

犬猫と違い糞のしつけは出来ないので、始末や掃除は大変です。
だのに、芸をするわけでもなく、大して慣れもしません(多少は人懐っこくはなります)。
下手すれば、突っつきに来る。
こういう方を10年以上面倒見ないといけません。

手に負えなくなっても、うちの公園ではお引取り致しません。
生きたまま引き取る施設は、たぶんどこにも無いです。
飼えなくなったら、自分でつぶして食べるしかありません。
その覚悟が必要。

と言うようなことをお話していると、お子さんのほうもちょっと無理かなと言う顔になります。

NHKにお便りを送られたお子さんは、うちにも孵った雛の写真を見せに来てくれました。

おばあちゃんと一緒に卵を買いにいらした時には、さっきの環境と覚悟のお話をさせていただいた覚えがあります。
でも、おばあちゃんがドンと胸を叩いて(例えです、事実とは異なります)鳴くようになっても、うちなら大丈夫、世話も私がやってやると太鼓判でした。

その後、殻の中でピヨピヨと鳴き声がするけど、殻を割ってやったほうが良いでしょうかとお問合せをいただき、自力で割るのを待ってくださいとお伝えしました。

それから数日後、あんたには無理かもしれんと言われとったけど、孵ったよ、
とお孫さんと一緒に生まれた雛の写真を見せに来てくださいました。
夜中12時に、転卵、霧吹、様子見、で次は、朝の5時。
なかなか大変なスケジュールでお世話されていたようです。
大変ですねと言うと、おじいちゃんが頑張ったみたいなことを確か仰ったような。

当公園では、1日に2,3個のときもありますが、概ね日に10個以上の有精卵を売っています。
環境と覚悟の点で問題がなければ、是非チャレンジを。
ウコッケイの卵は100円、それ以外の卵はアヒルもチャボもみんな1個10円。


 そのほか、6個1パックで奥美濃古地鶏の卵を販売していますが、こちらはブランド保護のため、食用のみに用途の方にしか販売できませんので、よろしくお願いします。