馬ごとの馬房は、壁一枚、首を伸ばせば、隣の馬と顔がくっつきます。
この隣同士が馬房にいるとき、しょっちゅう喧嘩して顔に傷を作っています。
互いの房に顔が突っ込めないよう、壁の柱に間仕切り板を追加したのですが、それを割ってしまって喧嘩します。
困ったもんだ。
フロスティーは、気難しく、世話をする人にとっては、要注意のところのある馬なので、喧嘩はありそうな話ですが、相手のパールは初心者を乗せるのに一番良い、大変温厚な性格の馬、よく、やり返して喧嘩をするなぁと意外です。
パールはあれで、ケッコウ気が強いんですかと乗馬会の指導員さんに尋ねたら、うちの厩舎で唯一のメスなので、もてて気位が高いから、馬同士となると負けていないようだとの分析。
指導員さんによると、去勢とは言えまだオスの本能が残っているフロスティーがパールの気を引こうとちょっかいかける。
するとそれに、パールが肘鉄。
それでもパールのほうに首を伸ばすフロスティ-。
モーうるさいとパールが噛み付く。
と言う展開で喧嘩になるのだそうです。
気になる女の子に意地悪したら、相手の子に本気で嫌われてビンタ喰らったみたいな話。
間仕切りを棚に変えたのでもう大丈夫 |
そういえば、放牧場のオス豚のたけちゃんが若いメスに振られてしょんぼりしているのを見かけたし、木曽馬舎では、風雅(ふうが)がオス馬の運動場とメス馬の運動場の境の柵から、前足を柵の上に引っ掛け、身を乗り出しているうちに、鉄棒の前回りみたいにメス馬側にひっくり返って転がり込んだことがありました。
豚も馬もオスたちはみんな四六時中メスにちょっかいかけています。
言い寄るたけちゃん |
ところで、発情期と言いますが、それはメスが発情する時期。
3週間から4週間周期で、2日とか3日。
かつ、ヤギは秋から冬、馬は春という具合に年間の限られた時期限定と言う場合もあるので、年間でもメスの発情は365日のうちのわずかの日数。
対してオスは、メスの発情に合わせ更に興奮が高まると言うことはありますが、基本的にはいつ何時でも、メスのご都合に合わせられる体勢で年中待機。
逆に言えばいつでもオッケーなので、豚の放牧豚舎以外、畜舎はどこも、間違いが起きないようにオスとメスは別の房です。
しかし、離されていようと、メスに発情が来ていなかろうとオスはいつでもメスが気になります。
柵越しに近寄り、身を乗り出し、すきあらば摺り寄り、でも、たいがいは発情が来ていないメスに、知らん顔されるか、ブヒッとか鳴かれて肘鉄、あるいはガブッとやられてびっくり。
オスはいつでもというのは、自然の摂理として合理的だと思いますが、オトコの立場としては、挑めども振られてばかりは切ない。
気になる彼女は食欲優先 |
でも、うちのオスたち、心が折れてメスによって行かないなんてことにはなりません。
ほんとめげない。
振られても、振られても、彼女にメロメロ。
岐阜市畜産センター公園 奥村