2013年10月24日木曜日

肉食系やぎ

豚、牛は年中受精が可能ですが他の家畜には発情期があります。
馬は春、羊、山羊は秋に発情期を迎えます。
今年4月に生まれたやぎの「はじめ」(オス)ももう大人。
この秋恋の季節を迎えました。

離乳のためにお母さんと離れましたが、まだ一人前の体格ではないはじめちゃんは、他の山羊にいじめられないよう一部屋(小さな小屋に割ると広い庭付き、むしろ庭に小屋付きと言ったほうがいいかもしれません)を1頭で使っています。
なので相手はいません。

恋の季節の衝動を正しく発揮できないはじめは、抑えきれぬ本能のまま飼育員に乗っかろうとします。
ついこの間まで、お母さんのおっぱいに吸い付いてたヘニョヘニョのくせに、大人ぶってと驚きはしますが、牛、馬、豚と比べれば、山羊はずっと華奢。
まして、はじめは、大人と言っても思春期を迎えた中学生みたいなもの、他のおとな山羊に比べても小さくて、角もしょぼい。
乗っかろうと必死なのは分かりますが、もう、うるさい、とうちの職員には軽くいなされています。
特に女性めがけてと言うわけでもなさそうで、シルバー人材センターから仕事に来ている男性の皆さんにも乗っかろうとしてきます。
もちろんおじさん達にも、じゃまじゃまと一蹴されます。
半年前はこんなに小さかったのに














飼育員の観察によると恋の季節と言えども食欲が優先、エサ喰ってる間はそちらに専念していますが、おなかがいっぱいになると態度が豹変(ヤギだけど)、ギランと光るその目が「肉食系男子」だそうです。

先週末に、他のヤギにいじめられるせいで、いじけて痩せてきたヤギをはじめのいる部屋に移しました。
はじめより一回り大きなヤギで、しかもオスですが、お構いなし、本能のおもむくまま、前足をグイッと上げて、彼に覆いかぶさろうとします。
ただ、本能は、とりあえずおっかぶされと言うような物凄く大雑把な指示しか出してくれないようで、はじめちゃんはなんと顔を突き合わせた真正面から一回り大きなヤギ、しかもオスにおっかぶさりに行きました。
相手には立派な角があるので、これにはじめの足が引っかかっると抜けなくなって、もし相手が、首をグイッとひねったりしたら、足がポキンと折れてしまいます。
慌てて飼育員が離しますがあきらめず近寄って乗ろうとします。

はじめのほうは、攻撃意思は無く覆いかぶさろうと必死なので隙だらけ、相手のヤギのほうが、一回り大きいのですから真正面から乗っかろうとするチビ助なんか一発ガインとひっくり返してお灸をすえてやれと思いますが、いじめられてすっかり弱気になってるのか逃げて回り、ここまで連れてきた飼育員のほうにまるで助けを求めるように逃げ込んできました。

今週に入り、はじめはとりあえずどっちの向きかは分かったようで、ちゃんと(?)オスヤギのお尻を追っかけまわしています(野獣の目で)。
来んなって














発情すると雌ヤギはとても激しく鳴きつづけます。
そしてその鳴き声をきいてオスは興奮しにおいが強くなります。
それぞれ畜舎に行けばそれなりにおいはありますが、ウマ臭いとかブタ臭いとかウシ臭いとかはっきり感じることは無いのですが、ヤギはとってもヤギ臭い。
ムスクの香水振りかけた兄ちゃんみたいな感じがして、はじめだけでなく、ヤギってみんな他の家畜よりイケイケ肉食系かもしれない。
まぁ、チビヤギにお尻を追っかけまわされてるオスはまったくの草食系ですが。