バラの葉があらかた落ちて冬の剪定の季節になりました。
そこで昨日、岐阜県農業技術センターの研究員にご指導いただき、当公園職員のバラの剪定講習を行いました。
バラの冬の剪定について、講習の内容を要約してご紹介します。
冬の剪定は、枝を間引き、残す枝も適当に切戻し、バラの株の草姿を整えて、来年良い花を咲かせるためのバラ管理の出発点となります。
したがって、細い枝を大胆に間引き、太い充実した枝の切戻しをします。
切る枝、残す枝は以下の基準で決めましょう
今年伸びた新しい充実した枝を生かし、古い枝を落とします。
新しい枝の中でも、太くて樹勢のあるものを残し、細く貧弱なものは切り取ります。
枝の太さは鉛筆の太さを基準にすると良いでしょう。
残す枝の長さは、概ね2分の1ほどまで短くできますが、太くて勢いの良いものならば、3分の1まで切戻すことができます。まだ若く樹勢の良い株であれば、比較的短く切戻すことでベーサルシュートの発生を促すことができます。
枝を落とすときは、花芽を確認して、その1cm上くらいでやや斜めに切ります。
花芽は、今の時期以降は基本的に成長することはありませんが(芽が冬眠するようなものです)、平年より温度の高い時が続くと芽が成長する(動く)ことがあります。
今から動いた芽は、寒さや霜で傷んでしまうため、来年2月に芽の状況を見て、切り口からもうひとつ下の充実した芽の1cm上で切り直しをします。
12月の剪定のときに、2月の切り直しを頭に入れ、残す芽の下に予備の花芽があることを確かめて枝を切りましょう。
剪定は剪定鋏を使いますが、太さが2cmを超えるような太くて硬い枝はのこぎりを使い、切り口に割れが入らないようにしましょう。
剪定後は、市販の切り口を保護する殺菌剤を使用すると、切り口から菌が入って起こる枝枯れ病や、枯れ込みを予防することができます。
また、切った直後は、切り口から水分が滲み出ることがあるので、塗布する場合は、半日程度時間を空けたほうが良いかもしれません。
注)ベーサルシュート(basalshoot)
やぶ状に育つ低木の類に、根元から発生する太くて強い直立性の新芽をいう。6~8月のころバラに多く見られ、後に切り花を発生する親枝となる。
以上、講習で教えていただいたことから、冬のバラ剪定の概要をまとめました。
しかし、植物を育てるのも家畜を育てるのも、実践を踏まないと腕は上がりません。
教えていただいたことが実際に出来るようになるまでご指導いただきながら学んでいきたいと思います。
また、せっかくバラ園がありますので、ここで皆様に喜んでいただけるバラを育てるとともに、バラを育てて楽しみたい市民の方々にバラの育て方の講座を開くことを今後の目標にしたいと思います。