2014年10月3日金曜日

不死身のセブン

9月17日に睾丸にウミが溜まって、手術した羊のセブンは、食べるものを食べ、出すものを出し、術後の経過はとても順調です。
術後熱が出たり、傷口が化膿することもありません。
ホントに手術したのか、大事なものをとっちゃたのにと不思議です。
乗馬の馬など、消化不良のお腹の痛みでたちまち食欲を無くし、痛くて死んでしまうことすらあるそうです(木曽馬はどうもそんな雰囲気じゃないですが)。
そういう、繊細な家畜(多分サラブレッドくらいだとおもいますが)と比べると、強いと言うか、鈍感と言うか、まぁたいしたものだと思います。
すこしの怪我で、ヒーヒーの人間や高級な馬に比べ、術後の経過は不死身とすらいえる。
いたって元気














セブンは術後の経過良好で元気にやっていますが、別の羊1頭が9月24日に死にました。
うちの公園の羊の最長老、平成10年5月8日生まれ、あと少しで満16歳でした。
半年くらい前から、部屋の出入りで扉や柵にぶつかる様になり、目が悪くなっていることに飼育員が気付きました。
目やになど、眼病の兆候は見られず、多分老化が原因です。
羊は群れるので、目は見えなくとも何とか他の仲間にくっついて餌のところまでたどり着いていました。
羊同士の序列があり、体が弱っているおばあさん羊は、みんなについて行っても、一緒に餌は食べさせてもらえません。
みんなと餌箱のそばには行けても、みんなが食べ終わるまで、餌にはありつけません。
野生であれば、皆が食べ終わったあとに餌など残っていませんが、ここでは優しい飼育員が、他の羊が餌箱から離れたところで餌を足すので、ちゃんと食べることが出来ます。
そんな具合で目が見えなくてもそれなり群れの中で暮らしていたのですが、一月くらい前から他の羊にぶつかるとすぐこけるようになり、こけたらうまく起き上がれず、、群れではやっていけなくなって、小さな部屋に1頭だけ隔離して餌をやることにしました。
もう、完全看護。

しかし、足腰が駄目なるとその後は早く、結局一週間ほどで力尽きました。
死因は、老衰。
家畜は、死ぬまで飼育されることは稀、でも、野生動物も、餌が取れなかったり、敵に襲われたり、少し弱れば、即寿命の厳しい世界。
老衰で羊が死ぬと言うのは、なかなか稀な出来事ではないかなと思います。

岐阜市畜産センター公園 奥村