参加して下さるお客様との会話は楽しいだけでなく、飼育職員として貴重なものばかりです。
動物たちと接している時間は長いものの、質問を頂いて初めて気付かされた点や、動物の展示の観点からは「あぁ、お客様の目線からはこういう風に見えていたんだ。」など、勉強不足を痛感しつつ、今後に繋がる大事な刺激を頂いています。
また、お子様たちも毎回異なる反応を示して下さいます。
ある時、ホルスタインの子牛がうんちをしていたら、「あの後はどうやってお尻をふくの?」という素直な一言が飛び出しました。
確かに確かに。どうやって拭くのだろう。
子どもの発想ってすごいですね。
「えっとねー、人間しかお尻ふかないのよ」と答え、同時に、そもそも「なぜヒトはふくのか」という疑問が!ヒトを基準に物事を考えていてはだめですね。
ここから本題です。
先週は豚の出荷が行われました。
担当職員をはじめとして、6カ月間大切に育てられてきた豚たちの出荷です。
この日も餌やり体験に3組の方が参加して下さっており、目の前に積み込みを終えたトラックが出発の時間まで止まっていました。
わたしは、荷台に今日まさに出荷される豚がいること、豚が暴れて生じる振動や声が聞こえることを伝えました。
わたしが思うよりもはるかに興味を持って頂けたようです。 よじ登って中をのぞきこみ、更にお子様までだっこして出荷される豚たちを見て頂けました。
「わーーー!めっちゃ豚!」 衝撃的だったようです。 |
次はこどもたち! 怖かったようで泣いてしまいました。 |
豚の赤ちゃんがいます=かわいい!だけでなく、実は出荷もされているという事実を伝えると、毎回お客様の反応は千差万別です。
畜産センター公園は動物園ではありませんので、生まれて出荷されるまで、どんな成長過程や工程を経て豚肉として売られていくのか、そのような事実を知ってもらうことも私たちの大事な役目だと考えています。
だから伝えます。
餌やり体験中には、飼育職員の知る動物たちの日常の話と共に、以上のようなお話もさせて頂いています。
お子様も大人の方も、体験後は少し違った目線や感覚で畜産センター公園の動物たちを見て頂けるのではないでしょうか。