2014年9月25日木曜日

CCNチャンネル長良川 イン 畜産センター公園

9月24日水曜日地元ケーブルテレビCCNの撮影がありました。
CCNの看板番組「長良川情報局」のロケ先に今回、当公園が大抜擢(かな?)です。

CCNさんが野外スタジオを設営されたのは、動物舎をめぐる歩道の木曽馬舎と豚の放牧舎のところの十字路、収録は、午前10時過ぎ。
CNNではおなじみのキャスター那須さんとアシスタントの川嶋さんが、うちの職員に豚と木曽馬のことを尋ねるところから収録開始。
木曽馬は、カメラが回っていても緊張することなく、いつも通り、職員に寄り添ってきたので、彼らの人懐っこいキャラクターが画面を通しても伝わると思います。
一方、ブタさんがたは、食事直後で、豚舎の中で寄り添って寝転がってのんびりタイム、あんまり愛想はよくありません。
まぁこれも、マイペースで、うちのブタらしい。

とここいらまでの午前中は、台風接近中の曇り空とは言え、雨は降らなかったのですが、正午には、煙るような霧雨が降り始め、勢いは強くないものの密度がどんどん濃くなって、薄い夏の作業着がぺったり体に張るつくほどの雨になりました。
 
ついに、遠足に来ていた幼稚園の子どもたちが、広げかけていたお弁当をしまって保育士さんの先導ので、バスへ撤収を始めるさなか、キャスターの方々は、ビニール傘を差してリハーサル。

午後からは、雨脚が強くなり、すぐそこの山の姿も煙り出し、はたしてどんな映像が撮れただろうかと素人はいらぬ心配をしつつ、来週の「長良川情報局」を心待ちにしております。

今週土曜日から1週間(9/27~10/3)毎日7時、9時、13時、17時、19時、23時と6回放映されます。
ケーブルテレビが見られる環境の皆様ぜひ一度ご覧ください。

岐阜市畜産センター公園 奥村


最初は雨は降っていませんでした
降る前に済ませたい


傘をさしてリハ



2014年9月18日木曜日

ヒツジの手術

9月17日サフォークオスのセブンの手術がありました。
先週末、飼育員がセブンの睾丸からウミが出ているのに気がついて、畜産課の獣医さんに見ていただきました。

ウミが出ている意外、食欲が落ちてる様子も無く、便も普通、毎日の観察では異常は認められませんでした。
しかし、診察してもらうと片方の睾丸が倍くらいに腫れていました。
これはやっぱり重症です。

四足歩行の動物はお尻をさらしているので、睾丸の存在はわりあいはっきりわかります。
豚など、あまりに立派で、かえってホントにそうかと思うくらい目立ちます。
片方腫れていれば、見た目で気がつくと思いますが、ヒツジの場合、よく見えるところにブラブラして、存在自体ははっきり認識できますが、他の動物と違い、覆われた毛で形状の変化がわかり辛く、ウミを発見するまで異常に気付けませんでした。

最初は抗生物質など、内科の治療をしていただきましたが、腫れがひきません。
結局、睾丸ごと患部を取ることになりました。

手術することになったセブンは、病気が多く、鼠径ヘルニアを手術したり、回虫が原因の下痢で体重激減になったりしています。
今度は3度目の大病です。

手術中に暴れられるのは困るので、麻酔をするのは人間と変わりませんが、入院して、手術室に入ってというような至れり尽くせりはもちろんありません。
こちらの準備が出来たら、先生に羊舎まで出向いていただきオペ開始です。

手術台などの設備は無いので、獣医先生はコンクリートに横たわった羊を、しゃがんで手術。
開腹、患部摘出、縫合、手術の過程を全部しゃがんだままと言うのは本当にしんどそうです。
開腹、患部摘出まで一気に終えたところで、立ち上がる足がふらつくほどでした。
このあともう一度しゃがんで今度は手術跡を縫合。
しゃがんだまま傷口を覗き込み、針を鋏みたいなものでつまんで、縫っていく間足元グラグラ、難しい作業だなと驚きです。

摘出した患部は、ひどく腫れ、ウミもたくさん溜まっていました。
患畜のほうは、うまく麻酔が効いていて手術後もまだ大人しく横たわっています。
先生がその横たえた体を起こし、頭を上げ、伏せた姿勢になさいました。
この姿勢で麻酔が覚めるのを待ちます。

飼い犬や飼いネコは、気持ちよさそうに寝そべっていたりするので意外ですが、羊だけでなく、馬や牛等家畜全般(豚は別)は、息がし難かったりして体を横たえているのは、楽な姿勢ではないようです。
逆に言えば、横倒しに倒れている家畜は、大変体調が悪いと言うことになります。
そういえば、年末に死んだ乗馬のパール意外横たわった動物を見たことがありません(豚は別)

手術中放牧場に待機させていた、同室のコリデールが部屋に入れてもらって、餌箱に直行すると麻酔が覚めたセブンも一緒に餌箱へ向かい同じように餌を食べようとします。
 手術後すぐで、傷口は、痛く無いのかなと心配ですが、よろよろよろけて、元気が無いよりはあり難い。
ただし、動物たちは人間ほど、自分から弱みは見せないし、泣き言も言わないので、今の様子から体調が万全と言う判断は下せません。

二度の大病からは無事復活したので、今回も早期の回復を祈りつつ、ちゃんと食べて、きちんと出しているかよく観察して経過を見ていきます。

岐阜市畜産センター公園 奥村
オペ完了

2014年9月4日木曜日

仔豚の引越し

豚が妊娠すると、分娩豚舎に移されます。
そこで出産し、生まれた赤ん坊は1ヶ月お母さんのお乳をもらって育ちます。
1ヶ月たつと、離乳、お母さんは別の豚舎に引っ越します。
一方、赤ちゃん豚は、離乳して1ヶ月は離乳食を食べて育ち、普通のえさが食べられるようになると、肥育豚舎に引越します。
軽トラで引越し組

















9月3日水曜日は、7月2日(7/24)生まれの仔豚10頭を分娩豚舎から育成豚舎に引越しさせました。


生まれたときの体重が1.5kgくらいで、2ヶ月経過の現在は推定平均8kg。
元気で活発ですが、まだまだ赤ん坊で、引越しのために捕まえるとか抱き上げるとかはわりと簡単。
分娩用のゲージに囲い込み、順番にカドッコに追い詰め、前足か後ろ足2本をつかんでしまえば多少暴れても抱き上げられます。
いつもは、抱いてる間じゅう、びぃやぁぁあーと鳴き通しの仔が多いのですが、今日の仔たちは大人しく、抱かれてしまえば、わりと静かに収まってくれるのでとても楽。
陶器の人形?














ただし、捕まえるまでに手こずると、興奮して、お尻がゆるくなるのかウンコをしちゃいます。
それが服やら腕やらに付きますが、それはしょうがない。
まぁ、ウンコと言っても、まだ生後2ヶ月、量も少なく匂いも薄い、色も灰色で泥みたいなもんで、洗えば落ちます。
ウンコなんて誰も気にしません。

育成豚舎に移したら、餌がちゃんと食べられるか、水はうまく飲めるかが飼育員の心配です。
皆で注目
















餌を食べさせる給餌器のえさの出どころが少し高めで、引っ越したばかりの赤ちゃん豚の口へ届くのか微妙。
そこで、給餌器だけでちゃんと食べられるか、別途、餌をやらないといけないのかを確認します。
皆で見たところ、少し高めではありますが、不便さは旺盛な食欲がカバーしているようで、無理な体勢でもなんとか顔を突っこんでよく食べます。
水は、給水器を使います。
豚専用の給水器で、鼻でレバーを押すと水が受け皿に溜まる仕組み。
これが使えるかがポイントです。
こちらは、何頭かが、予め水を張った受け皿ならば、鼻先を突っ込んでごちゃごちゃ水を飲むうち、誰かの鼻がレバーを押して水は出るので、仕組みを理解するまえに、飲めるようになりました。
とりあえず誰かが飲んでるところにもぐりこめば、水は飲めるので、多分、なんで水が出てきているのか、一生知らないで終る豚もいると思います。

覚えたか?














しかし、一方、もう少し大きい豚たちの部屋では、受け皿の水を掻き出して、それからレバーを押して水をためている豚を見ました。
鼻でピャッ、ピャッと水を掻い出し、行儀の悪いやつが汚した水を入れ替えたところでおもむろに水をジャーと注ぎ足す。
他の職員に話しても、あまり本気にしてくれませんが、錯覚や誤解ではありません、目の前で起こった本当のことです。

可哀そうなのは、そうやってきれいにした水を一口飲んだところで、今まで知らん顔だった他の豚が、ナンダナンダと殺到することです。
餌箱やオガコに突っこんだ鼻を受け皿に突っこむので水は減っちゃうは、汚れるは、地道な努力が水の泡。

でも、他の豚が去ったあと、その仔だけは給水器を離れず、また水を掻い出し始めました。
確かに見ました。
ホントの話。

写真に撮っとけば良かった。



岐阜市畜産センター公園 奥村